令和の時代になって・・・(第45話)

 本年5月1日より元号が改まり令和の時代が始まりました。30年という一つの大きな節目を迎え、平成の天皇が退位され、新たに令和の天皇が即位されました。
 今月22日には、新天皇の即位を日本国内外に宣明される「即位礼正殿の儀」が執り行われます。
 天台宗においても、11月5日(火)、桓武天皇柏原陵参拝の後、比叡山延暦寺大講堂において「天皇陛下御即位奉祝法要」を、森川宏映座主猊下を大導師に仰ぎ、宗議会議員8名、宗務所長8名の出仕により厳修いたす予定になっており、私も宗務所長の一人として出仕させていただきます。

 「令和」とは、『万葉集』巻の五、梅の花の歌三十二首併せて序、から引用された
 「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」
という文によるとされます。書き下し分にしますと、
「初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気(き)淑(よ)く、風(かぜ)和(やわら)ぎ、梅(うめ)は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす」
となり、現代語訳は、※中西進氏著『万葉集』から引用
 「新春の好き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」
となります。

     福正寺旧本堂

 そして、令和元年も5ヶ月を過ぎ、「令和」ブームもそろそろ冷めてきた今日この頃でございます。
 世間を見れば、地球温暖化の影響か、やたらと台風が巨大化し、台風15号の大風の影響で、送電線の鉄塔が倒壊したりして、千葉県では長く停電、断水が続く状況でした。
 いわゆるライフラインの欠損によって、被害者の生活は非常な大打撃を受けるという、文明国家においても、自然の猛威には首を垂れて辛抱するしかないのかと、あきらめの境地のようでした。

 マスコミによりますと、国連において、16歳の少女が演説をし、地球温暖化を止めようとしない大人たち(世界の政治の主導者や大企業の経営者たち)に怒りの刃を向けておりますが、具体的な対策を今すぐ打てるような状況にはないように思えます。


 
 せめて、われわれ地球民一人一人が、そのような意識を持ち、少しでもごみを減らしたりして、地球にやさしい生活をするように心がけるしか手立てがないような気がいたしております。

 天台宗の「一隅を照らす運動」実践の三本の柱の、生命、奉仕、共生の中、共生には、自然の恵みに感謝するとともに自然を大切に、自然とともに生きよう、ということも含まれております。

 今こそ、「一隅を照らす運動」が必要な時ではないのでしょうか。
  

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