涅槃会について(法話第4話)
お釈迦様は、今からおよそ2500年ほど前、インドでお生まれになり、29歳のとき出家され、35歳でお悟りを開かれ、55年間の永きに亘り、インドの各地を行脚され、教えをお説きになられました。しかし齢80歳を以てその生涯を閉じ、涅槃に入られました。
お釈迦様が亡くなられたことを、涅槃といい、また亡くなられて往かれた境地を涅槃ともいいます。
そもそも、涅槃とは「安らぎの境地」のことであり、その元の意味は、燃え盛る煩悩の火を吹き消した状態のことを表します。
西行法師は、「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月のころ」と歌い、お釈迦様と同じ、旧暦の2月15日に、満月の下、散り行く桜の花の下で、その生涯を閉じたと言われます。
太宰治は、その小説の中で、「好きな花の咲く時期に死ねる人は幸福な人だね」と言わせています。すると、小説の中の女性は「私の好きな花はバラの花、バラは四季咲きだから、春死んで、夏死んで、秋に死んで、冬にも死ななくてはならないわね」と言います。
さて、あなたは、何の花が咲く頃に死を迎えたいですか?
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