シルクロードのオアシス、敦煌を訪ねて(第32話)
平成26年9月14日から19日まで、4泊5日の中国仏教遺跡を訪ねる旅に参加しました。特に、敦煌の莫高窟、瓜州の楡林窟を中心に見学しましたが、仏教史上まれにみる素晴らしい仏教遺産であり、仏教がインドから中国、朝鮮、日本へ伝わる中継地点に造られた、まさに仏教の信仰と芸術の遺産であります。
敦煌(とんこう)
シルクロードの世界遺産「敦煌」。「敦」は「大きな」、「煌」は「盛ん」という意味で、漢代には、沙州と呼ばれ、武威、張掖、酒泉とともに、西域の軍事上の要衝であり、東西交易の拠点となって繁栄を極めました。
莫高窟(ばっこうくつ)
大同の雲崗、洛陽の龍門とともに、中国三大石窟の一つに数えられます。鳴沙山の東壁に、4世紀半ば、ある僧が夕日を浴びて輝く千仏の威厳を感じ、石窟を築き修行をしたのが始まりとされています。
その後、元代にいたる約1,000年間、石窟は掘り続けられ、約1,000の石窟があったとされますが、現在は492の石窟が保存されています。
南北の長さは約1618m、4万5000㎡の壁画、2400体以上の彩色彫塑などの壁画芸術の宝庫であります。
莫高窟 千仏洞
莫高窟 壁画
楡林窟(ゆりんくつ)
楡林窟は敦煌の東、100km、楡林河の両岸に掘削された大規模な石窟です。5世紀の北魏の時代から元にかけて850年の間に掘られました。
石窟は、東壁に32窟、西壁に11窟が現存し、総面積は5050㎡、塑像は約270体が残っています。
鳴沙山にて
楡林河
楡林窟